【生産地】 新潟県南魚沼市 旧塩沢町

【品種】コシヒカリBL

【平成19年度作付数】90アール





吉兆楽スタッフが自ら田んぼを耕し、籾から苗を育て、米作りに挑みました。
「無農薬」や「化学肥料不使用」等が珍しくなくない時代、
「安心と安全」の上をいく、「美味い米」を目指して育てています。

◎農薬・化学肥料不使用とは・・・

【農薬・化学肥料の使用回数(成分回数)】
(例:南魚沼地域・・・農薬/化学肥料)

・慣行栽培(標準栽培)・・・20回/7回
・特別栽培(5割減)・・・10回/3.5回
・JAS有機栽培・・・認定資材(自然由来)のものは使用可。
・農薬・化学肥料不使用・・・天然物のみ。


つまり必ずしも「有機栽培」=「無農薬」とは言えないのです。

農薬や化学肥料を使わなくても、力強く稲を育て、
たくさんの収量を確保できる栽培方法、
目指すところは田んぼと稲(米)のための稲作です。





室温15度以下で管理された低温倉庫にて、玄米のまま保管。
ご注文を頂いてから丁寧に精米し、出荷して行きます。

今年の冬からは、雪の冷気を利用して保管、熟成をさせた
「雪国・魚沼ならではのお米」を計画しています。





科学肥料や農薬に頼らない栽培を実現する為、
“薬”の必要ない
健全な土の田んぼへ。

堆肥撒布は、土に栄養を与えるというよりも、
土壌改良材、有効な微生物の住処作りとして考えています。

稲刈りの終わった田んぼ10アール(約1反部)につき1000キロ撒布し、
稲刈りと同時に撒かれた稲わらと一緒にトラクターですきこみます。

堆肥の効用として、
通気性、透水性、養分の保持性などが
改善され、地力、すなわち土壌の生産機能が維持・向上します。(☆地力とは・・・

<もみがら堆肥の作り方>

もみ殻、米ぬか、菜種油の搾りかすと菌を混ぜ、
水分60%に調整して発酵させる。

約10日に1回、全体をしっかりかき混ぜて、最短約40日で完成です。

☆堆肥とは・・・



無農薬、無化学肥料というものの、魚沼はもともと地力の低い土地。それを改善する為にも、有機質肥料を作って使用します。

材料はもちろん全て天然物。
魚沼の米ぬか、菜種油の絞り粕、魚粉、カニガラ、総乾物量の25%の水と菌で発酵させます。
酸素を与えることと、上昇し続ける温度を40℃〜50℃で維持するため、毎日、全体をしっかりかき混ぜ、約20日間徹底管理します。
この肥料は、有機物撒布はもちろん、
“有機物を分解し稲を育ててくれる微生物へのエサ”という考えで作られています。
完成した肥料です。
この手作り肥料を使って育苗、そして
田植前の田んぼに撒布していきます。



選別機で種もみを脱芒、選別します。
選別することにより、粒の小さな籾(屑種籾)やチリ・ホコリを除去し、
塩水選とほぼ同等の効果が得られます。
選別された種もみを、さらに選別にかけること数回。粒ぞろいのエリートだけを選出しました。
この厳選した種を、風呂の浴槽を使い60度の温湯に10分間浸け、温湯消毒します。
お湯に浸けるときは上下にゆすって中の種までまでまんべんなくお湯をまわします。
約10日間(積算温度120℃)常温水に浸けることで、発芽に必要な水分を充分に吸収させます。
適当な水の入れ換えを行い、溶出した発芽阻害物質も除去します。
その後、約2日間30℃〜32℃のぬるま湯に浸けて発芽させ、いよいよ種まきになります。

種まきまで、毎日温度と発芽具合を徹底管理します。




まずは、苗箱をつくります。
云わば種を苗まで育てる為の部屋作り。

苗箱1枚当たり、手作り肥料52.5gと土2kgをまぜて床土をつくります。
出来上がった床土に120gの種籾を撒き、
1.2kgの土をかけて覆います。

このように、窒素成分にして1枚2.9gなど、1枚1枚分量を徹底して作られます。
上記の工程(床土、種まき、覆土)は自動でできる種まき機を使用するのが一般的ですが、今回はあえて全て手作業で行いました。
撒いた種のばらつきや土、水のかかり具合に至るまで1枚1枚チェックしながら種まき完了です。




雪国・魚沼では4月と言えど、寒い日が続きます。なので苗のうちは暖かいビニールハウスで育てる方法が一般的です。

ですが、ハウスを使わず、あえて露地栽培に近いプール育苗という方法で育てました。
シートや囲いを使ってプール状の場所を作り、苗箱を並べます。たっぷり水を与えてからシートで覆い、保温して芽を出させます。
その後、苗の生育に合わせて徐々に外気温に慣らしていき、最後はプールに少しずつ水を張り、田んぼの環境と近づけていきます。

ここまで、人間で例えるなら
赤ちゃん(苗)〜社会人(田んぼ)デビューまでといったところ。
田んぼの準備を整えたら、まもなく田植えとなります。




田植に向けて、田んぼの準備も進めます。
土そのものを健康にする為に作った肥料を田んぼに撒き、土と肥料を馴染ませます。
撒布する量は田んぼによって若干異なりますが、基本的には10アールにつき150kg、
窒素成分にして5.25kg)をトラクターや手作業で散布します。
土と肥料を馴染ませるため、
つまり微生物が有機物(肥料)を分解して植物に吸収されやすい状態に整えてくれるように、
田植の2週間前には散布しておきます。
今回の栽培での肥料は、この元肥1回のみ。
あとは田んぼの土の力、稲の力で育てます。




肥料を馴染ませたら、苗を迎え入れる準備です。肥料と土が良く混ざるように、そして土を柔らかくするために田起こしをします。
田起こしをすることで前の年の稲わらや稲かぶを分解しやすくします。
まず、ロータリーで深いところから土を起こし、
次に水持ちを良くするために田んぼに水を入れ、代かきをします。

代かきをすることで、田んぼの水持ちが良くなります。また、水の深さにムラが出来るのを防いだり、苗を植える深さを均一にできます。

最後に、ドライブハローに付け替え、比較的浅いところの土を掻いてさらにトロトロの状態にしていきます。
生育にばらつきが出ないように土表面を平にしていきます。
土の表面をさらに柔らかく混ぜることで、
苗の根っこが伸びやすくなります。




苗の巣立ち。
土壌、タネからの工程を経て、いよいよ田植えです。
土の健康状態に合わせてですが、
平均1坪に60株植えるところ、
稲のストレスを考え45株と
疎植です。

慣行栽培(標準栽培)ですと、上記「種」〜「田植え」
までに多くて8回(8成分)も農薬が使われます。

特別栽培米で、刈り取りまで10回以下(南魚沼地域)ですので、田植えまでにいかに農薬が使われるかが分かります。




雑草に栄養を吸われない為に、しっかり除草します。
除草剤を使わず、除草機、草刈り機、手作業で行います。

左が除草後、右が除草前。
条間全面にノビエ(雑草)が生え出してきています。
また、除草機での除草は、土表面を耕起する事でガス抜きの効果もあります。
すでに乗用型の除草機で2回除草しているわけですが、
一枚だけ株間の雑草が伸びて除草が難しい状態に。
除草は生え伸びて根が張った状態では難しくなります。

歩行型など色々な除草機を試しています。
抜ききれない雑草は、手作業で抜くことになります。
基本、田植えから7日〜10日おきに3回程度、除草作業を行うと、大体の雑草は生えてこなくなります。

稲もしっかりと成長した8月。
土が乾かない程度に水管理をしていきます。
稲刈りまでにコンバイン(稲刈機)がしっかり走行出来るよう、土を硬く乾かさなければなりません。

稲が倒れ過ぎないように茎を硬くする効果もありますが、
浅水〜土が乾かない程度に水管理を行い、
その後、完全落水して徐々に土を硬くしていきます。
田植え〜77日目
出穂5日前(田んぼの半分以上の稲から穂が出る予定日)
魚沼のおいしいお米の基本、ミネラル豊富な雪解け水と
昼夜の温度差、その中で今年も夏らしい晴天の光をたくさん浴びた健全な稲は、茎数、太さ、色ともに理想の姿。

慣行栽培(一般的な栽培)の稲と、
ここで紹介している栽培の稲を比べてみました。

注目して頂きたいのが根です。
良いお米は良い稲から。良い稲は、良い土から。
良いお米と稲は一つとして、それと土を繋ぐ根は重要。土が良くても根が良くなければ、栄養を十分に吸収する事ができず、元も子もありません。

茎も太く、
隣同士の田んぼで、田植えも同日です。

茎を割ると写真のように出穂前の幼穂が見られます。
穂は、茎の中で徐々に形成しながら上がってきて出穂します。(茎が太いと言う事は大きな穂になると言う事)
この幼穂の長さを測ると出穂日が特定できるので、
幼穂形成が始まるとこのように茎を割り
出穂日を確認しながら水管理など的確に行います。
人間の妊娠〜出産までの検査管理に似ています。




出穂し始めました。
今年の出穂日は8月19日になりました。

田植え〜119日目 出穂33日後

9月10日〜4回目の草刈
9月12日、落水後の短期乾田の為の溝切り
9月13日、落水(出穂25日後)

田植え〜125日目 出穂39日後

出穂からの積算温度約1000℃十分、刈り取り直前の稲



田植え〜125日目
出穂39日後

稲刈り開始